北海道浅井学園大学生涯学習叢書・2

生涯学習支援者の養成

  
浅井幹夫・藤原 等 監修
北海道浅井学園大学生涯学習研究所 編著
A5判・178ページ 定価[本体2000円+税]
ISBN 4-931199-86-0 C3037 \2000E
2002. 3. 30  第1版 第1刷

目 次

序 北海道浅井学園大学生涯学習研究所
第1章 浅井幹夫 
大学での生涯学習支援者養成の具体的検討 11
 1 はじめに 11
 2 「生涯教育学部」の具体的モデルの検討 11
 3 もう一度、生涯教育、生涯学習とは 21

第2章 藤原 等
生涯学習における健康学習支援の位置づけ 25
 1 健康概念について 25
 2 保健について 25
 3 健康の3要素と健康教育、健康学習 26
 4 生涯学習のキーワードと健康学習 27
 5 生涯教育・生涯学習概念について 27
 6 生涯学習をとりまく背景と課題 30
 7 生涯学習社会構築のための基本的方向性 30
 8 生涯学習支援者とは 31
 9 健康学習支援者の養成 32

第3章 水野信太郎
住まいと健康・西洋建築と日本建築の窓 35
 1 はじめに 35
 2 柱を建てる建築と壁を積む建築 35
 3 まとめ 42

第4章 今野洋子
生涯学習支援者としての養護教諭 43
 1 はじめに 43
 2 保健室に求められる機能 43
 3 養護教諭の基本的な仕事とは何か 46
 4 今後期すべき養護教諭の資質向上 48
 5 おわりに 51

第5章 中出佳操
江別市における子どもの保健の現状と展望 53
 1 はじめに 53
 2 調査の期間と方法 54
 3 江別市の子どもの保健の現状 54
 4 これからの展望と人材養成のシステム化 57

第6章 竹田唯史
スポーツ活動に関する生涯学習支援者の養成 ―スキー活動を中心として― 61
 1 スポーツ文化の人間的価値 61
 2 スキー活動の支援者養成方法 62
 3 まとめと課題 66

第7章 戸坂恵美子
テキスタイルの生涯学習支援者の養成 69
 1 テキスタイルについての見解 69
 2 支援者養成に関する事例 71
 3 まとめ 76

第8章 浅井洋子
趣味的要素の強い洋裁技術教育に於ける学習支援 77
 1 ファッションと生涯学習との繋がり 77
 2 趣味的要素の強いファッション教育 78
 3 北海道ドレスメーカー学院が実施する(した)趣味的要素の強い洋裁技術教育 78
 4 趣味的要素の強い洋裁技術教育に於ける学習支援に必要なハード面 79
 5 趣味的要素の強い洋裁技術教育に於ける学習支援に必要なソフト面 81
 6 本当の生涯学習支援 83

第9章 岡元眞理子
生涯学習における音楽学習支援者のありかた 85
 1 求められる「中間支援者」の養成 85
 2 戦後から現在までみられる支援者の特徴 86
 3 公民館やカルチャーセンターなどのハード面が整った時期から現在までの支援者の特徴 87
 4 生涯学習としての合唱 88
 5 地域の少年少女合唱団の指導 89
 6 歌う喜びを高齢者に 89
 7 音楽における生涯学習指導者の育成課題 90
 8 生涯学習指導者の養成方法の提言とまとめ 91

第10章 前山和彰
北海道の文化「下の句かるた」を守るために 93
 1 はじめに 93
 2 本州の「百人一首」 93
 3 下の句かるた競技会 96
 4 まとめ 98

第11章 大関 慎
マルチメディアコンテンツの重要性 101
 1 マルチメディア技術 102
 2 コンテンツ制作と人材育成 103
 3 コンテンツクリエイター養成のための方策 104
 4 マルチメディアコンテンツとメディアの本性 105
 5 知的な楽しさを追究するマルチメディアコンテンツ 107

第12章 小杉直美
生涯学習支援者に望まれる情報活用能力 109
 1 生涯学習の一体系としての学校教育 109
 2 学校教育を取り巻く情報化 110
 3 情報支援に望まれる情報活用能力 111
 4 生涯学習情報支援者の養成の一端を担う 114

第13章 山本正八
生涯学習支援者の養成システムの構築計画 117
 1 生涯学習支援者の養成システムの構築計画手順 117
 2 第1段階 生涯学習者の問題の発見 117
 3 第2段階 生涯学習支援者の問題の解決 122
 4 第3段階 養成システム構築の実行計画の策定 125
 5 生涯学習支援者の養成システムの構築計画 125

第14章 粥川道子
「生きる力」の支援者養成 127
 1 わが国の生涯学習社会の成り立ち 127
 2 生涯学習社会と余暇教育 128
 3 生涯学習社会の学校教育における教師の役割 131
 4 生涯学習支援者養成における高等教育機関の果たす役割 133

第15章 村井俊博
生涯学習サポータの意義と役割 135
 1 はじめに 135
 2 指導者としての社会教育主事 135
 3 生涯学習支援者の定義 136
 4 生涯学習の支援者の区分 137
 5 生涯学習サポーターの活動事例 ―浦臼町― 138
 6 まとめと今後の展望 143

第16章 谷川幸雄
生涯学習支援者に求められるリーダーシップ 145
 1 生涯学習支援者(指導者)に求められる資質・能力 145
 2 コミュニケーションのプロセス 147
 3 生涯学習支援者(指導者)に求められるリーダー像 150

第17章 山谷敬三郎
生涯学習とボランティア 153
 1 はじめに 153
 2 ボランティアの意味と歴史 154
 3 学校におけるボランティア教育の動向と状況 157
 4 本学が目指す生涯学習支援者像とボランティア 160

第18章 佐々木邦子
リカレント学習に対する支援の展望 163
 1 リカレント学習支援者に対する視点 163
 2 主体的学習における現代的認識 164
 3 働く者をリカレント学習に駆り立てるもの 166
 4 リカレント学習支援の方向性 168
 5 リカレント学習支援者の要件 170

監修者紹介 173
執筆者一覧 174

カバー装画・阿部典英
扉絵・野崎嘉男

はじめに 
 本研究所の叢書第1巻が刊行されたのは1999年1月でした。大学名称は,北海道女子大学でした。2000年4月からは、既設の人間福祉学部に加えて生涯学習システム学部が新設され、男女共学になりました。それにともないまして大学名称も北海道浅井学園大学に変わりました。そんな大変化を経て、本叢書の名称も北海道浅井学園大学生涯学習叢書に変わりました。北海道女子大学の時代から引き続いて通巻で数えることにしまして、本叢書は第2巻ということにしました。
 本叢書の第1巻の書名は「生涯学習社会の課題探究」でした。本学の新設学部である生涯学習システム学部は、生涯学習社会における生涯学習支援者の養成を目的にしたわが国で最初に誕生した学部です。健康プランニング学科と芸術メディア学科の2学科から構成されています。そして、第2巻の書名は「生涯学習支援者の養成」です。18人の所員・研究員が分担執筆しています。原稿を預ってから少し時間が経過しています。その理由は大学の大変化にともなって本研究所も変化し、編集業務が遅れたことがあげられますが、執筆者各位にはご迷惑をおかけしました。おわび致します。
 さて、国立大学の再編成が急ピッチで考えられているようですが、私立大学の再編成があるのでしょうか。小学校、中学校、高等学校、短期大学、大学を含めた学校教育は21世紀に入り今、大きく変貌しつつあります。学校教育終了後の継続訓練、継続学習は極めて重要な位置を占めつつあると思われます。わが国の生涯学習の出発は、高齢化社会を目前にした時代にスタートしたので、どちらかといえば趣味・教養型として位置づけられていましたが、大量失業時代、大就職困難時代に突入した現下では、学校教育終了後の継続訓練、継続学習を通して新たな能力の再開発等、学習による付加価値の創出も求められていると思われます。学校教育では生涯学習の基礎を培うことが重点になりますが、加えて、家庭教育や地域教育では、その教育力の回復と新たな創造が強く求められています。学校は、地域に存在しているのですから、地域の人々の教育力を大胆に取り入れた学校教育を創造しなければなりません。現在、関係者はそのために大変な努力をしています。大学教育においては、上述したように継続訓練、継続学習のために、もっと制度を改革して、大胆に成人や高齢者を受け入れるべきでしょう。また、直接、職業に結びつくような高度な技術学習を提供するべきでもあります。また、少子高齢社会では、将来わが国の労働力不足は必至でありますから、高齢者であっても人生の最後まで現役で働いて納税をお願いしなければなりませんから、趣味・教養型の生涯学習とともに、やはり継続訓練、継続学習という新たな能力開発、価値創造型の生涯学習が必要になってくるでしょう。そんなことを考えながら、本叢書第1巻の出版から3年間の時間を経過して、この第2巻の編集をしていました。
 本研究所の小さな足跡、この叢書が生涯学習社会のなかで何かのお役に立てたならと願いながら序文とします。
 最後になりましたが、学校法人浅井学園の多くの関係者の皆様並びに二瓶社の吉田三郎氏、同社の駒木雅子氏に大変お世話になり本書が成ったということを記し、心からの謝意を表します。

   2002年3月 残雪におおわれていますが、早春の香りがする野幌原生林、文京台にて
 北海道浅井学園大学生涯学習研究所



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