新訂 与謝野晶子歌碑めぐり

  
堺市 編

初版から15年がたって、晶子の歌碑もずいぶん増えました。初版で125基を収録しましたが、今回は240基を集めました。日本国内から海外までひろがり2倍近い数になりました。所在地も平成の大合併などで多くの所で変更されたところが見られ、再調査をいたしました。交通の便も変わりました。新しくなった歌碑めぐりをお楽しみください。

新書判・214ページ 定価1,260[本体1,200円+税]
ISBN 978-4-86108-038-8 C2026 ¥1200E
2007. 5. 1  第2版 第1刷


もくじ


まえがき  3
与謝野晶子略年譜  4
堺の晶子の歌碑  6
 晶子のふるさとへの思い  入江春行  30
北海道・東北  30
上越・関東  47
 晶子にとっての旅  沖良機  64
東海・中部  87
 一碧湖の桜  森藤子  91
北陸・近畿  109
 晶子歌碑と私  富村俊造  137
中国・四国  155
 与謝野晶子と寛  森下明穂  172
九州  177
海外  205
あとがき  212




まえがき


 与謝野晶子は、第一歌集『みだれ髪』によって新時代の旗手となり、その浪漫主義の香気にあふれる作品から「情熱の歌人」といわれています。しかし、彼女はその後も更なる進境を示し、その作品は心象的翳りをくわえ、象徴的表現へと移行し、さらには人生の寂寥が込められた奥行き深いものとなります。
 晶子は大正末から昭和にかけて全国各地を旅し、立ち寄った先々で歌を詠んでいます。それが機縁となって、国内各地に晶子歌碑が建立されています。全国を旅してまわった時期は、晶子が中年期を経て老齢にさしかかる頃で、人生に対する深い観照と思いのこもった歌を詠んでいます。
 晶子は大阪・堺に生まれ、東京へ移るまでの23年をこの地で過ごしています。このたび、堺市の政令指定都市への移行を記念して『新訂 与謝野晶子歌碑めぐり』を刊行することになりました。晶子歌碑を収録した本書では、若き頃の情熱ほとばしる作品だけでなく、人生の寂寥をみつめた叙情性あふれる作品が多くなりました。歌碑をめぐる旅が、「情熱の歌人」、「浪漫主義の旗手」だけではない、晶子の新たな魅力に触れる旅となることを願っています。
 晶子はまた作歌活動の他に古典文学研究、女性の自立と地位の向上を本旨とする評論活動、教育活動等、実に多方面にわたる活動を展開し、その活躍は現在でも高く評価されています。本書では歌人与謝野晶子に焦点を当てていますが、作歌活動にとどまらない多彩な活動と、人間的な奥行きの深さを知っていただくきっかけとなれば幸いです。


二瓶社 ホームページへ戻る