行動科学ブックレット 3

やせる


肥満とダイエットの心理


  
日本行動科学学会 編
今田 純雄 著

食べることは多くの人々に共有される“楽しみ”の一つである。しかしながら、この“楽しみ”を否定し、放棄しなければならないと感じる人々が増加しつつある。

A5判・76ページ 定価630[本体600円+税]
ISBN 978-4-86108-042-5 C3011 ¥600E
2007. 9. 20  第1版 第1刷


もくじ


第1章 肥満と低体重(やせ)の現状
  第1節 序
  第2節 体型の評価方法(BMI)
  第3節 肥満と低体重(やせ)の現状

第2章 人はなぜ太るのか
  第1節 食行動制御の仕組み
  第2節 3つのタイプの食行動
  第3節 過食の境界モデル
  第4節 エネルギー・ホメオスタシス
  第5節 現代の食環境と肥満化

第3章 かしこくやせる
  第1節 なぜやせることが難しいのか
  第2節 やせる方法
    1)手術
    2)物理的治療
    3)薬物治療
    4)“魔法の薬”(サプリメント)
    5)喫煙
    6)摂食制限(ダイエット)
    7)運動(エクスサイズ)
    8)その他
  第3節 幸せに生きるために
    1)生活のリズムを安定させる
    2)身体を動かす
    3)無理をしない
    4)塩分をひかえる
    5)「適度に太め」のよさをイメージする
    6)おいしく、楽しく食べる
    7)満腹感ではなく満足感を
  第4節 おわりに


あとがき

 食べるという行為は生きることに直結する重要な行動です。しかしながら、食行動が環境、社会、文化の影響を大きく受けて獲得・維持されるものであることについては十分な理解が得られていないように思います。現在、富める国々において肥満とダイエットは大きな問題となっています。食の行動科学は、これらの問題を解決していくために幾ばくかの貢献をしていけるのではないでしょうか。行為、行動に焦点をあてた研究のより一層の発展を願うところです。
 肥満とダイエットの問題は、2005年に出版した「食べることの心理学:食べる、食べない、好き、嫌い」(有斐閣)の第7章、第8章でも取り上げました。あわせてご覧いただけますと、食の問題行動についてより一層のご理解がいただけるものと思います。
 本稿は、著者の勤務先である広島修道大学より与えられた「特別研究」期間中(2006年度後期)にその研究活動の一環として書き上げました。一時的とは言え、一人の教員が教育の場から離れることとなり、多くの方々にご迷惑をおかけしました。特に授業・学生指導などを代行して頂くことになりました心理学専攻の先生方に、感謝申し上げます。
 本稿を仕上げるにあたり、広島修道大学大学院人文科学研究科の瀬戸山裕君ならびに青山慎史君のご協力を得ました。ここに記して感謝します。また、文部科学省科学研究費補助金「食の問題行動の測定とその発生機序に関する行動発達学的研究」(平成16-18年度、研究代表者:今田純雄、課題番号:16530438)より、資料収集などにおいて援助いただきましたことを付記いたします。

   2007年2月6日
   著者記す

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